2010年2月 8日
福祉生活病院常任委員会第2回県外調査
福祉生活病院常任委員会県外調査報告(平成21年度第2回)
平成22年1月13日~15日の3日間にわたり、所管の「福祉生活病院常任委員会」の県外調査を実施した。初日の13日には、佐賀県玄海町の玄海原子力発電所へプルサーマル発電の安全性について、視察予定であったが、九州北部地方が23年ぶりの大雪となり、普段からスタッドレスタイヤを使用しない地域のためか交通事情が大混乱していた。そのため、原発まで行くことができず、佐賀市へ向かうこととなった。プルサーマル問題は、2日目に予定している長崎県の原子力災害対策の視察で勉強することとなった。
長崎県松浦市は、境港市と同様に原発が隣県に設置された地区となり、その一部が原子力防災対策を重点的に実施すべき地域(以下、EPZという。)となっている。(境港市は、17㎞離れているので島根原発のEPZに該当しないが、非常に近い距離と言ってよい。)
このため、玄海原発からの放射能物質が漏れたとの想定で毎年、原子力防災訓練を実施し、住民の安全対策に努めている。しかし、EPZの範囲が、原子力安全委員会が8~10㎞と規定しているため、松浦市鷹島町の大半は、EPZ区域からはずれ、自主的に地域防災計画を策定し、EPZ以遠の住民の安全対策を講じている。
一方、島根原発からわずか17㎞しか離れていない境港市は、中国電力と安全協定を結ぶよう強く要請しているものの原子力安全委員会指針のEPZ範囲ではないことから、未だ協定に至っていない。しかし、島根原発が境港市の西北西に位置しており、1年を通じて西よりの風が多い松江市周辺の気象状況から臨界事故による放射能汚染の危険性もあると予想され、EPZの範囲外であるが、地域住民の安全のため地域防災計画を策定している。
今回の視察では、境港市と同様に隣県でしかも非常に近いところに原発が設置されている長崎県の担当課に安全対策や防災計画を実施するうえでの課題や問題点について聞いてみた。
(問題点)
① 松浦市鷹島町は、一部EPZ範囲に入っているが、島全体が対象となっていない。したがって、区域内と区域外で区分けすることができないので、県独自で地域防災計画を作成した。(島全体をEPZ範囲とすることが望ましいが、九州電力の方針なので仕方ない。)
② 玄海原発は、すでにプルサーマル発電を実施しているが、MOX燃料の搬入の際の情報が長崎県には一切なかった。松浦市が一部とはいえEPZ範囲になっていることからも、県に連絡が欲しかった。(通報連絡協定を結んでいるが、九州電力から連絡はなく、マスコミ関係者から燃料搬入の情報があって初めて判った。)・・・・・不信感を感じている。
(課題と対応策)
① 島根原発もプルサーマル計画で、MOX燃料の搬入がある。その際、EPZ範囲外もしくは設置県でないという理由で鳥取県も情報が来ない可能性がある。MOX燃料は、
国外から一旦六ヶ所村の再処理施設に搬入され、各原発へ搬送される予定だか、搬送経路の機密は安全対策上公表する必要はないと思うが、近隣若しくは搬送経路上の行政のトップへの情報伝達はあって然るべきである。・・・・情報公開とまでは、言わないが情報共有はあってもよいと思う。
② 今回の視察で感じたことだが、原発現場の行政には、情報共有や連絡体制等の安全対策については、十分に配慮するが、近くとはいえ県が違えばそれほどまでにという姿勢は、九電も中電もあまり変わらない。
③ このような状況下では、長崎県や鳥取県など原発設置県ではないが、原発が近い距離に位置し、安全協定を締結してない地域同士で連絡協議会等を設置して情報交換を行う体制づくりを考えてもよいのではないか。
(結論)
① 原子力安全委員会のEPZ範囲は、あくまでも指針であること。
② ②IAEAでは、30㎞をUPZ(緊急防護措置計画区域)と規定していること
③ チェルノブイリ原発(ウクライナ)では、30㎞以内は立ち入り禁止区域となっていること
④ 日本の核燃料再処理施設(六ヶ所村)のEPZは、30キロメートルとされており、
MOX燃料(使用済み核燃料から取り出したプルトニュウムとウランを混ぜた燃料)を使用するプルサーマル計画の安全性は、まだ確立されていないこと
などの理由空から、日本におけるEPZの範囲は、少なくとも再処理施設やチェルノブイリと同じ30㎞程度に拡げ、安全対策に努めることが必要ではないかと考えます。
その他、佐賀県が実施している他県との「ドクターヘリの共同運航」の状況や長崎県子育て条例について勉強してきました。詳しくは、ブログにて掲載中ですので、ご覧下さい。